売れるECは最初が9割|BtoC向けECサイト戦略とチャネル選択の基本知識

 

 

売れるECは最初が9割|BtoC向けECサイト戦略とチャネル選択の基本知識

「新しくEC事業を立ち上げたいけれど、何から手をつければいいのかわからない……」

「楽天市場やYahoo!ショッピングから熱心な営業を受けているが、そこに決めてよいのだろうか?」

「SNSで売るのが流行っているようだが、自社サイトは本当に必要なのか?」

EC事業への参入を検討している事業者の方から、このようなご相談をいただくことは少なくありません。

結論から申し上げます。

EC事業の成功は、最初の「チャネル選択」で9割が決まると言っても過言ではありません。

どのプラットフォームで販売を始めるかは、単なる「お店の場所選び」ではありません。

その後の利益率、顧客データの活用可否、さらにはブランドの寿命にまで影響する、極めて重要な経営判断です。

本記事では、主要なECチャネルのメリット・デメリットを整理し、デジタルマーケティングの視点から見た「勝ちやすい戦略パターン」を解説します。

 

1. ECチャネルの「5大選択肢」を徹底比較

まずは、代表的な5つのチャネルを整理しましょう。それぞれの特徴を正しく理解することが、戦略設計の第一歩です。

① モール型(楽天市場、Amazonなど)

  • メリット: 出店したその日から一定の集客が見込めます。楽天スーパーSALEなどの大型イベント時の爆発力は圧倒的です。
  • デメリット: 利益率が低くなりがちです。販売手数料に加え、ポイント原資やモール内広告費が嵩みます。また、デザインの制約が強く、どの店舗で購入しても同じに見える「店舗のコモディティ化」が避けられません。
  • ハードル: 出店審査や月額費用が必要なケースが多く、固定費が想像以上に重くなることがあります。

② 自社ECサイト(Shopify、MakeShopなど)

  • メリット: 利益率を最大化できます。顧客データを100%活用でき、LINEなどを活用した高度なリピート施策も可能です。
  • デメリット: 「集客の難易度」が極めて高いことです。開設しただけでは、砂漠の真ん中に店を建てるようなもので、誰にも気づかれません。
  • ハードル: サイト構築の初期費用や、広告・SNSなどのデジタルマーケティングの専門知識が必要です。立ち上げの心理的・技術的ハードルは、5つの中で最も高いと言えます。

③ クローズドチャネル(LINE公式アカウントなど)

  • メリット: 売上の大部分支えるリピーター育成に極めて有効なツールです。
  • デメリット: 新規顧客を増やす拡散機能はほとんどありません。
  • ハードル: 定期的な配信設計やシナリオ構築など、継続的な運用リソースが必要です。

④ SNSショッピング(Instagram、TikTokなど)

  • メリット: 広告費を抑えながら、認知を拡大できる可能性があります。
  • デメリット: 流行の変化が激しく、アルゴリズム変更によって露出が急減するリスクがあります。
  • ハードル:継続的に魅力的なクリエイティブを制作し続ける体制が求められます。

⑤ クラウドファンディング(Makuakeなど)

  • メリット: 在庫リスクを抑えながら資金を調達し、市場性を検証できます。
  • デメリット: 手数料が売上の20%前後と高く、あくまで「一過性」の盛り上がりで終わる可能性があります。
  • ハードル: ページ制作に大きな労力がかかり、審査も厳格です。

評価項目モール型自社ECLINESNSクラウドファンディング
初期の集客力××
利益率
ブランディング
顧客データの保有×
運用の手軽さ×

2. なぜ「最初」の選択を間違えると致命的なのか?

よくある失敗パターンが、「まずは集客力のあるモールから始めて、売れてきたら自社サイトを作る」という考え方です。一見合理的に思えますが、ここには大きな落とし穴があります。

顧客データの断絶

モールの顧客は、あくまで「モールの会員」です。モール内で1,000人に販売できたとしても、その顧客へ自社から直接「新商品の案内」を送ることは制限されています。いざ自社ECを立ち上げても、再びゼロから顧客を獲得しなければなりません。

サンクコスト(埋没費用)の罠

モールで売上を伸ばすには、モール内広告やSEO対策に多額の投資が必要です。しかし、その投資は「他人の土地を耕している」ようなものです。投資を止めれば売上も止まります。結果として、モール依存から抜け出せず、赤字覚悟で出店を続ける状況に陥いるケースも少なくありません。


3. プロが推奨する最強の布陣:自社EC × LINE

デジタルマーケティングの観点で、現在もっとも再現性が高い戦略は、自社ECを本丸に据え、LINEで顧客接点を強化する体制です。

自社ECを「本店」にする理由

自社ECの最大の強みは「利益率」と「データ」です。モール手数料が不要な分、その利益を「新規顧客獲得のための広告費」や「商品開発」へ再投資することができます。これこそが持続的成長を生む健全な構造です。

LINEが「自社ECの弱点」を補完する

自社ECの最大の課題は、「待ちの構造になりやすい」ことです。 そこでLINEを活用します。

  • 購入者にLINE登録をしてもらう。
  • 定期的に価値ある情報を配信する。
  • 購入タイミングに合わせたリマインドを行う。

この仕組みにより、広告依存度を下げながら、リピートを創出し、LTV(顧客生涯価値)を最大化できます。モールでは実現しにくい「ファン育成」が可能になります。


4. 令和のEC成功ロードマップ

立ち上げフェーズでリスクを抑えつつ、成長の爆発力を高めるめのステップをご紹介します。

  1. 【検証】クラウドファンディング まずはクラファンで「この商品は本当に求められているか」をテストします。ここで得た実績と初期ファンは、次のステップの強力な武器になります。
  2. 【基盤】自社ECサイトの構築 ブランドの拠点(本店)を構えます。Shopifyなどの拡張性の高いプラットフォームを選び、将来的なデータ連携に備えます。
  3. 【育成】LINE公式アカウントの運用開始 サイト訪問者や購入者をLINEへ誘導します。ここを「接客室」として、顧客との関係を深めていきます。
  4. 【加速】デジタルマーケティング投資 ターゲットを絞ったSNS広告(Instagram、Facebookなど)を運用します。広告で集めたユーザーを自社ECで買いやすくし、LINEでリピーターにする。この「仕組み」ができてから広告費に投資するのが、もっとも効率的です。

5. 「誰をパートナーにするか」が成功を左右する

モールには担当者がつきますが、彼らはあくまで「モール内の売上の最大化」の専門家です。あなたの会社の利益の最大化が目的とは限りません。

自社ECはは確かに高い専門性が求められます。しかし、だからこそ戦略設計から伴走できるパートナーの存在が重要になります。

  • どのチャネルに広告を出すべきか?
  • LINEで何を配信すべきか?
  • CVRを高めるための改善ポイントはどこか?

これらを一貫して設計できる体制が整えば、自社ECは「利益を生み続ける資産」へと進化します。


6. まとめ

ECサイトを立ち上げることは、ゴールではなく、スタートです。 「どこで売るか」という最初の選択は、単なるツール選定ではなく、ビジネスモデル設計そのものです。

顧客データを保有できないモール依存型から脱却し、顧客と直接つながる自社EC主導型戦略を、ぜひ検討してみてください。

「自社商品にはどのチャネルが最適か」「具体的な数値シミュレーションを知りたい」という方は、ぜひ一度ご相談ください。

あなたのブランドを、一過性ではなく、10年続く事業へ。